報告1 茨城県龍ケ崎市「ウエルカムチケットについて」

【1】はじめに
 令和6年7月29日、午後1時30分頃、茨城県龍ケ崎市3710番地の龍ケ崎市役所に到着。
 龍ケ崎市議会事務局主査の森下由佳氏のお出迎えを受ケ、同市議会事務局長の中嶋正幸氏より歓迎のご挨拶をいただきました。
 「ウエルカムチケットについて」、同市総合政策部まちの魅力創造課長の石崎清浩氏、同課人口問題対策室課長補佐の脇島朋子氏、同室長の岡野恵之氏よりご説明いただきました。
【2】「龍ケ崎市の取組み」について
 龍ケ崎市の人口は75,353人。他自治体と同様人口減少の課題を抱えた、昭和29年に市政施行され70年の市であります。
 ウエルカムチケットを担当する「まちの魅力創造課」は、1.地域資源活用推進グループ、2.人口問題対策室、3.空家対策室の3グループから構成され、令和5年よりその体制で取組みが進められています。
 人口減少の中で様々な取り組みを検討する中で、周辺自治体と「人」の取り合いをしても意味がなく、「移住より定住」施策に重点を置いて取り組まれています。
 その中で住民の皆様が「愛着」を持てるようにするために子育て世代への定住意識を向上させたいと考えられました。
 そしてその取り組みとして
  ①市民のシビックプライドの醸成
  ②子育て情報誌への広告掲載
  ③各種イベントの開催・出店
  ④優待券による移住支援
  ⑤新婚時・賃貸住宅更新時補助金
  ⑥住宅取得補助金
 に取り組まれました。
①市民のシビックプライドの醸成について
 ア)広報誌「りゅうほー」で「特集:龍ケ崎で暮らす」を年1回掲載し情報発信。
   表紙は子育て世代を中心に募集し掲載する。
   紙面には限りあるので、WEBで全文掲載するなど情報発信。
 イ)数値と市民の声で暮らしを見える化
   数値や市民の声を掲載した冊子「#龍ケ崎で暮らす」を作成。
   龍ケ崎のここが好き!と市民の声を掲載。
②子育て情報誌への広告掲載について
 茨城県内の幼稚園等で配布されている冊子への龍ケ崎市の取組みの紹介等。
③各種イベントの開催・出店について
 ア)東京ビッグサイトで開催される「JOIN移住・交流&地域おこしフェア」に出店
 イ)子ども向ケ職業体験イベント「たつのこワクワクワーク」の開催
   若手職員を中心に企画され、産業・事業所を知ってもらう。
④優待券による移住支援について
 ア)移住支援金「龍ケ崎わくわく茨城生活実現事業」の実施
    令和元年よりスタートし、県と共同で行う支援金制度で、単身者が60万円。世帯が100万円。子ども加算として18歳未満一人につき30万円の補助金が支給される。
 イ)ウエルカムチケット
    転入者、どちらかが29歳以下の転入新婚世帯を対象に、公共施設や指定された店舗で利用。
⑤新婚時・賃貸住宅更新時補助金について
 ア)夫婦のどちらかが29歳以下の新婚世帯に補助
    最大10万円の補助金支給
    令和5年度実績として 48組480万円支給
 イ)夫婦のどちらかが34歳以下で0歳から4歳までの子どものいる世帯に、最大7万円の補助金を支給
    令和6年度事業スタート 予算については50組を想定しています。
⑥住宅取得補助金について
 夫婦のどちらかが39歳以下で18歳未満の子どものいる世帯で住宅購入の補助として最大15万円を支給。
 令和5年度実績として160件2,361万円が支給されています。
 移住より定住というコンセプトではありますが、やはり、「移住」対策も必要と考えられたようです。
【3】「ウエルカムチケット」について
 公共施設を利用することにより子育て支援に取り組んだり、商工会議所の協力のもと、龍ケ崎名物「コロッケ」の販売促進につなげたいともおっしゃっていました。
 「ウエルカムチケット」の利用については、「たつのこ産直市場(市が直営で運営」割引券、「龍ケ崎コロッケ」割引券、「コミュニティバス」利用券、「乗り合いタクシー」利用券、「ニューライフアリーナ龍ケ崎(プールなどもある総合体育館)」利用券、「さんさん館子育て支援センター」見学券、「リフレッシュ保育」利用券となっています。
 令和6年度の予算としては報償費として100万円、印刷製本などの需要費として約52万円が計上されています。
 課題としてはサービス店舗が12店舗と少なく、拡大の呼びかケも必要となっているようです。
【4】最後に
 ウエルカムチケットをはじめ、転入者支援、子育て世帯向ケ支援が充実しているように感じました。
 市の規模や都市部との関係性も貝塚市とよく似ています。しかしながら財政規模は企業会計を持っている本市とは異なりますが、一般会計では若干貝塚市の財政が上回っています(貝塚市約366億円、龍ケ崎市約307億円)が、子育て世代への支援策としては貝塚市でも取り入れなケればならない施策だと感じました。

報告2 茨城県笠間市「エコランドセル給付事業について」

【1】はじめに
 令和6年7月30日、午前10時頃、茨城県笠間市中央3丁目2番1号の笠間市役所に到着。
 笠間市議会事務局係長の上馬健介氏のお出迎えを受ケ、同市議会事務局長の山田正巳氏、同次長の堀内恵美子氏の歓迎を受ケました。
 笠間市議会教育福祉委員会の坂本奈央子委員長、笠間市教育長の小沼公道氏の二名よりの歓迎のご挨拶をいただきました。
 「エコランドセル給付事業について」、同市教育委員会教育部学務課課長補佐の河原井浩典氏、同課主査の久保美智代氏よりご説明いただきました。
【2】エコランドセル給付事業について
 笠間市では、女性と子育て世代に焦点をあてて「笠間まるごと子育て都市宣言」を発表し取組みが進められてきました。
 そんな中で、子育て世帯の経済的負担の軽減を目的に、令和6年の新1年生を対象に「エコランドセル給付(無償)」を実施しました。
 もともとは、令和2年に「プラスチックごみゼロ宣言」をだし、環境問題にも取組み、その中で何ができるかという議論がありました。
 そこで、ランドセルの給付が検討された時に、素材を回収されたペットボトルを利用した繊維素材を活用することになりました。
 リサイクル繊維「&+🄬」(アンドプラス)が利用されています。「&+🄬」(アンドプラス)は、東レ㈱が手掛ケるリサイクルブランドで、笠間市内に拠点を置く協栄産業㈱が持つ技術で様々な課題をクリアし、品種と多様性の向上を実現しているようです。
 ランドセルの開発・製造についても笠間市内の業者であるエース㈱が担っておられいます。
 また価格も1つ21,000円と安価でできる事も特徴です。
 このエコランドセルは軽量で、通常のランドセルと比較すると200g以上軽量化できます。昨今、猛暑、酷暑といわれる中、水筒の持参など荷物も増えており、子ども達の負担軽減にもつながっています。
 新1年生には全児童に給付されましたが、案内時期も遅くなり、既にこれまでのランドセルを購入した家庭もあったようです。そのため「市の指定カバン」とはしておらず、通常のランドセル、エコランドセルどちらで通学しても可としています。
 令和6年にスタートした事業ですので6年たって検証する必要もあるとは思います。
 保護者の意見としては
 ・6年間もつのか?
 ・告知時期が遅い
 ・21000円で出来たなら、その分を通常のランドセル購入費用の補助金として出せないか
 ・破損したときはどうなるのか
 ・繊維製のエコランドセル。雨天等の「水もれ」対策はできているの 等々
 教育委員会としては子ども達の感想、保護者の感想、利用しやすいかどうかも含め検討、改良を進めていきたいとの考えがあるとおっしゃっていました。
 尚、給付方法は、1月の学校説明会時に給付し、欠席者は別途説明時か市役所まで取りに来てもらうことで対応したそうです。
 経費については一般財源で約1100万円。(@20,999円(税込み)×520名)
【3】その他の教育支援
 教育長の冒頭の挨拶でもふれられました、そのほかの子育て世帯向ケ支援策についても意見交換を行いました。
 教育長からは「子ども達が夢を持って過ごせるように行政としては条件を整えたい」という強い気持ちから取り組まれたそうです。
 ・中学校入学時に制服等購入費支援事業(市単)
   一人3万円を支援 総額1,800万円
 ・高等学校等生活応援事業(市単)
   新たな生活準備費 一人5万円を支給 総額3,300万円
 ・第3子給食費無償化事業(市単)
   小中学校におケる第3子以降の給食費を無償化
     総額1,850万円
  ※給食費については、物価・原材料が高騰しているが、現状を維持しています。
【4】最後に
 笠間市の一般会計は約340億円です。人口は約7万人。貝塚市との規模も比較的よく似ており、子育て世代への支援という面では参考にしなケればならない事も多く感じました。
 エコランドセルをはじめ、中学生入学支援、新高校1年生への支援。給食費等貝塚市でいかに取り組めるか進めていきたいと考えます。