栃木県真岡市・鹿沼市・足利市視察報告書を議会事務局に提出しましたので掲載します。

長い文章ですのでお暇なときにご覧くださいね。

 

報告1 真岡市「タブレット配備について」

 令和元年7月3日午後1時15分頃、栃木県真岡市荒町5191番地真岡市役所へ到着。

真岡市議会事務局議事課庶務係の豊田公平主査のお出迎えを受け、同議会事務局議事課の藤田主計課長、同市議会総務常任委員会の日下田喜義委員長より歓迎のあいさつを受けた後、同市総務部情報政策課の菊池高樹課長、同情報管理係の小池知恵子係長より「全職員へのタブレット端末導入について」ご説明いただきました。

まず真岡市では平成28年度新庁舎への文章移管の検討にあたって保管文章の50%を削減しなといけないことが判明したとの事でした。

また今後保管する文章などをいかに減少させることができるかが急務の課題となりました。そこで、担当者が先進都市の静岡県焼津市へ行政視察を行いこの問題の解決に取組みました。

「焼津市」での取組みに学び導入するタイミングを検討した結果、平成30年のパソコンの更新時期に合わせて取組まれました。

それまで使用していたパソコンについては、臨時・嘱託職員や伝送用パソコンとして引き続き利用することで無駄をなくす取組みとなりました。

タブレット導入におけるランニングコストは約1,300万円の増額となったわけですが、目に見えない費用の削減があげられていました。

紙代、印刷製本代、印刷製本時間にかかる労働時間を含めると多大な費用の削減が見込まれました。庁内での一般会議で使用する資料については約10%の削減、議会の予算・決算書資料については約40%の削減が見込まれたとの事でした。

 そうした見込みを受けて「視察報告会」を開催し導入が決定されました。

まずは三役にはiPadを整備し、庁舎外でもデータのやり取りが可能なシステムが構築されました。

スケジュールとしては平成29年度にテスト導入として庁議・政策調整会議・課長会議などでペーパレスの実施し導入者によって様々な意見を出し合い、平成30年度に全事務職員に導入されました。(379台・現在は432台)

タブレットを導入したことによりセキュリティ対策も強化し、ハードディスクの暗号化、Windows起動時にID・パスワードの入力により2重のセキュリティが確保されました。

また人的な強化として職員の教育に力をいれ、事あるごとに研修に取組んでいるようです。タブレットを導入したことで作業時間が著しく短縮でき、事業効果は大であると認識されていました。

 

 

報告2 鹿沼市「民設民営の下水道消化ガス発電について」

 令和元年7月4日午後1時頃、栃木県鹿沼市上殿町673-1鹿沼市下水道事務所へ到着。鹿沼市議会事務局議事係のシノハラ氏のお出迎えをうけ、同市議会大島久幸議長より歓迎のご挨拶をいただきました。

続いて、鹿沼市環境部下水道施設課施設維持係の湯沢浩課長補佐兼係長、民間運営会社である月島機械㈱水環境事業本部ソリューション技術部新事業グループの青柳健一サブリーダー、同新事業グループの西谷麻菜美氏よりご説明と施設見学が行われました。

昭和51年6月に下水道処理をスタートして43年。鹿沼市内では9か所の処理場を有しており平成13年には環境基本条例が制定されると同じに「環境都市宣言」も行われ環境問題への取組みがスタートしました。

下水処理時に発生する「メタンガス」を再生可能のエネルギーとして地球温暖化対策の推進のため積極的に活用しようという発想でスタートしました。

 そんな中で月島機械㈱より提案があり事業を本格的にスタートさせました。

国の20年間という補助も活用し平成26年よりスタートしているのですが、売電価格も39円と高く年間110万kWの売電を生み、全体の15%にあたる約800万円が鹿沼市に分担金として納入されています。

太陽光や風力のように天候に作用されることなく安定した電力として期待できると述べられました。

これは下水処理施設の電気代の約1か月分くらいですが民間企業と共同で環境問題に取組んでいる事例でもあります。

課題としては電力会社が受け取る設備が不足しており折角作った電力が売れないということがあげられることと、絶対的にメタンガスの量が少なく、処理施設の1か月分程度の電力しか生めない事があげられています。

 そこで市内の給食センターから排出される食品の残り等をあつめて処理するなど行っていますがまだまだ実績としては伸び悩んでいるのが課題です。

今現在日本各地で約300か所で同様の取組みが行われているとの事で、貝塚市の地でも検討できないかと感じました。

月島機械㈱の担当者様も実際貝塚市の処理方法などお聞きして提案できるとおっしゃっていましたので進めてみたいと考えています。

また、視察項目ではなかったのですが、国土交通省下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)により「脱水乾燥システムによる下水汚泥の肥料化、燃料化技術実証研究」についてもご説明いただきました。

 汚泥を乾燥できるところまで乾燥させて肥料にする研究との事で、すでに「肥料」として認可は受けれたとの事ですが、課題として運搬や保管時にどうしても湿気などで折角乾燥した肥料に湿り気が生まれ固まってしまい、使い物にならないこともあるようで、その事に対する克服が今後の研究課題となってきているようです。

最後に、施設内をご案内いただき視察は終了しました。

なお、本視察は先方のご都合で午後からの開催となりましたので、午前中に同市内にある「鹿沼市屋台のまち中央公園彫刻屋台展示館」を訪れました。

地元で地車祭に携わる新政クラブの全メンバーです。彫刻のすばらしさや「屋台」の歴史等説明をいただきました。

説明員の方に感謝申し上げます。

 

報告3 足利市「映像のまち構想について」

 令和元年7月5日午前9時20分頃、栃木県足利市本城三丁目2145の足利市役所へ到着。足利市議会事務局議事課議事調査担当の藤本昇主査のお出迎えを受け、同市議会の柳収一郎議長からの歓迎のご挨拶を受けました。

続いて、足利市総合政策部映像のまち推進課の安西健課長、同小林孝之助主査より「映像のまち構想」についてご説明いただきました。

また地元の工業高校の学生2名がインターシップとして同課に所属しており視察の場にも参加されていました。

足利市では、平成3年の大河ドラマ「太平記」においてオープンセットで撮影されたことで観光客481万人訪れるなどその効果に期待する機運が高まっていたようです。

その中で平成25年に和泉市長が「映像のまち構想」に取組むと発表されました。和泉市長は元朝日新聞の記者であったそうで、その経験から足利市で「映像のまち」に取組めると考えられた様です。

 翌平成26年に「映像のまち推進課」を設置したことをきっかけに、シティーセールス等かねてテレビ局、映画会社、制作会社等に営業が行われました。

さらにこの「課」を設置したことにより飛躍的に取組みが進んだと述べられました。

映像のまち推進課は当初正規職員3名と補助職員1名でしたが現在では正規職員6名、補助職員1名、協力隊1名で取組まれ、その期待と役割の大きさがうかがえました。

協力隊の1名は宣伝会社に勤務経験のある方でそのノウハウを生かした取組みとなっています。

本事業では

①映画やドラマの撮影支援

②「映像」をきっかけとした事業

③「ユナイテッドシネマ アシコタウンあしかが」との連携

④「映像のまちあしかが」の周知啓発の4つの取組みが行われています。

①映画やドラマの撮影支援

・撮影場所の相談や調整、支度部屋や駐車場の確保。

撮影の支援なくして「映像のまち」はないという発想で進めています。

・市内業者の活用の促進など

発電機・足場・扇風機・ストーブ、ロケ弁・ばれ弁等

さらにエキストラも市内から募集

「ロケ地・エキストラの方々など関わったすべての方が『よかった』をめざす」とスローガン

このことによってスタッフの長期滞在等で経済効果は大であるとおっしゃっていました。

②「映像」をきっかけとした事業

・ロケ地めぐりバスツアーを企画

特に「今日から俺は!」というドラマのこの企画は、80名分が15分で完売するという盛況だったとの事です。

対象ドラマの「ロケ地マップ」を作成し、ロケーション現場や、出演者が食したお店なども紹介され現在も盛況が続いているとの事です。

このマップは4,000部製作。1週間でなくなりました。

・あしかが映像まつり

河川敷やロケ地、ユナイテッド 中橋リバーサイドシネマと題して、バルーンスクリーンを購入し、河川敷で上映会が開催されたようです。このバルーンスクリーンは1台80万円するそうですが、それまで使用されていたレンタルスクリーンは10万から20万の費用がかかることから回数を重ねるのならと購入され市のイベントにも活用されています。

・聖地西高学園祭

足利市では旧県立足利西高校があります。ここが学園ドラマなどの撮影によく利用されているそうです。県から等価交換し、現在は市の管理となっています。

この足利西高校でイベントお祭りを開催し当初2,000名の参加を見込んでいたそうですが3,200名の来場があり嬉しい悲鳴があったそうです。

・映像業界の仕事オープンカレッジ

前述の「今日から俺は!」のヘアメイクさんによるオープンカレッジを企画。主人公などのヘアースタイルのデモンストレーション等大いに盛り上がったそうです。194名の参加

・短編映画ワークショップ

市内の小中高校生を対象に短編映画を作成。合計20名が参加されました。

③「ユナイテッドシネマ アシコタウンあしかが」との連携

一度閉鎖された映画館は再開することはないと言われている時代にユナイテッドシネマ アシコタウンあしかが」が再開。

館内に「映像のまち」推進コーナーを設置したり、足利ロケーションに参加した役者さんのサインが飾られていたりします。

シネマより卒園児に親子鑑賞券をプレゼント。

④「映像のまちあしかが」の周知徹底

マスコミより積極的な取材を受けているとの事。またSNSを活用した周知に取組んでいるとの事です。

このようにこの取組みによって様々な効果が見られることが分かりました。

貝塚市においては、二色の浜海水浴場、近木川などの河川、葛城山といった自然。水間寺・考恩寺・願泉寺・寺内町といった歴史的視点を持った街並みがあります。

これらを生かして経済効果の大きい「ロケーション」に適した貝塚市を目指してみるのもいいのではないかと感じました。

尚、視察終了後、足利市より「史学足利學校」を案内させてほしいと依頼がありご案内いただきました。

最後に帰路の途中に「旧足利西高等学校」に立ち寄り視察を終えました。