令和4年第1回定例会(3月)南野敬介議員一般質問(HP)
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《市政全般わたって》

 

◆南野敬介

 議長よりお許しをいただきましたので、通告順に従いまして質問をさせていただきたいと思います。

 私、本来、監査委員を務めさせていただきまして、一般質問等は、決算に係ることはしないということであります。

 また、今回、貝塚市長が替わられた1回目の定例会ということもありまして、さきに酒井市長が述べられました所信表明について、まず1点目、質問させていただきたいと思っています。

 市政全般にわたって、所信は酒井市長のほうから述べられました。

 その中で、一個一個、後日、改めて見させてもらいまして、ちょっとお聞きしたいことが幾つかありましたので、ご質問をさせていただきたいと思います。

 まず、酒井市長よくいろいろなところであいさつをされるとき、また、先日の所信でも述べられましたが、論理的に説明できる行政を目指すのだと、推進をするのだということで、よくおっしゃっていると思います。論理的という、分かりやすい行政を目指す、筋の通った行政を目指すということなのかなと勝手に思ったりしているのですが、その辺、具体に何をどういうふうにイメージされているのか、もしありましたらお答えいただきたいと思います。

 

 

◎酒井了市長

 お答え申し上げます。

論理的に説明できる行政の推進についてでございますが、施策から決めるのではなくて、まずは、やはり客観的なデータに基づきまして問題点を把握すること、そして、その打開を図る課題を明示した上で、その課題解決のための施策を企画・立案していくという流れが重要であると考えております。

市民の皆様と問題点や課題を共有いたしまして、施策の目的を明示することで、市民の皆様にとって分かりやすい行政となるものと考えております。

 

 

◆南野敬介

 データを基にということでおっしゃいました。

 これまで貝塚市では、いろいろなデータを取ったり、これからもまた恐らく取っていくと思うのですが、それを基にということで、行政、これから進んでいくと思うのですが、そのデータの取り方というか、どう参考にするかによって、またこれも課題によっても変わってくるとは思うのですが、大事かなと思っています。

 近々で市政を進めるにあたって、酒井市長が、今一番、何を重点的に進めていくことを目標に置いて提案されているのかというのが、もしありましたら、教えていただきたいと思います。

 

◎酒井了市長

問題点の非常に大きなものとして、やはり人口の問題があるかと思っておりまして、人口の自然の減少、社会的な減少、様々な観点ございますが、やはり、そこを客観的に捉えていく必要があると思っております。

今のデータということでいきますと、国勢調査や、あるいは統計かいづかの数値、市民意識調査の結果など様々なデータがございます。

こうした客観的なデータを率直に受け止めて、市政に反映してまいりたいと考えておりまして、特に人口の社会減ということにつきましては、例えば、転出者に対してアンケートを取らせていただきまして、転出の理由などをお伺いさせていただければ、転出の超過の背景、あるいは理由といったものが見えてくるのではないかと考えております。

 

 

◆南野敬介

 出ていかれた方、なぜ、理由を求めるということなのですが、ちょっと思ったのですが、その出ていった方に貝塚市からそんなアンケートを取るということは可能なのですか。

 住民票から追いかけるということになるのでしょうか。

 

◎都市政策部長

市民課で、転出の手続をされた方に対しまして、アンケート調査をしたいと考えてございます。

 

 

◆南野敬介

 ということは、これから取っていくということなのですよね。分かりました。

 それで、ちょっと先に進んだかなと思うのですが、この所信表明の中で、酒井市長が、人口減少の話で、住み続けたくないと思う方が約35%ということを強調されていたと思います。

 確かに、そういった住み続けたくない理由をクリアにすることは、非常に大事だと私も思いました。

 ただ、逆に、今度約65%の住み続けたいという方が、より一層住み続けたいと思うことにも力を入れなければならないかなと。

 逆に、約35%をあまり強調されたら、残りの住み続けたい方のことをどうするのかというのが、ちょっと分かりにくかったので、その辺どうお考えか、お聞かせいただけますか。

 

◎酒井了市長

実際、住み続けたいと思わない方の約35%、あるいは裏返しで約65%住み続けたいと思われる、やはりそれは両面からの見方があるということでございまして、当然、大事なことは貝塚市が選ばれるということでございますので、今、住み続けておられる方も当然住み続けたいと思う、そして、外から来る方も貝塚市にぜひ住みたいと思う、そういった施策を推進してまいりたいと考えてございます。

 

 

◆南野敬介

 昨日の質問の中でもあったと思うのですが、市民と共に具体化を図るということを酒井市長はおっしゃっています。

 市民の意見の聞き方ということもあると思うのですが、何を聞くかもあると思うのですが、全部が全部やっていたら、多分、行政がもたないような気がしていて、100人いたら100人が賛成ということは、まずあり得ないことなので、その辺をどうこれから市民と対話して決めていく中で進めていくおつもりなのか、その辺お聞かせいただけますか。

 

◎酒井了市長

先ほどのご答弁いたしました行政の進め方の流れとして、やはり客観的なデータに基づいて問題点を把握して、その打開を図る課題を明示した上で進めていくと申し上げました。

そこを、やはり市民の皆様と、まず客観的なデータを共有して、要は貝塚市が今こういう状況にあると、そして、その打開を目指すために、こういった課題を掲げていく必要があるのではないかと、そういったところの意見交換をしっかりしてまいりたい。

要は、本市のほうは、独断でこういう課題を掲げてやりましょうと言って、それで市民の方にぜひついてきてくださいというものではなくて、やはりそこの議論の過程を、市民の皆様との意見交換を大事にしたいと考えてございます。

 

 

◆南野敬介

 独断でとおっしゃったのですが、我々、僕も市議会議員になって15年になりいろいろしていて、貝塚市議会でのことはやはり市民の皆さんに報告とか、その意見を聞いて、貝塚市議会で質問したりとか、僕はそこは、独断と言われたらちょっと違うのかなと思ったりするのです。

 それは、市民の皆さんと共に進めていくというのは、非常に大事なことだとは思うのですが、やり方によっては収拾がつかないようなことになってしまったらいけないので、そこは慎重にやり方も含めて検討しなければならないかと思うので、その辺いかがでしょうか。

 

◎酒井了市長

行政の役割といたしまして、市民の皆様のニーズを捉えて施策を検討していくというのは、もちろん大事なことでございます。

一方で、行政として、例えば地球温暖化対策のように、実際、市民の皆様の今の現状の生活を変えて誘導していくという、そういった場面もございます。

ですので、行政としてあるべき方向に誘導するということと、そのニーズに基づくということ、そこをやはり総合的に対応していくことが必要でございまして、そういった収拾がつかなくなるというようなことを避けて、できるだけいい方向に持っていくように努力していきたいと考えてございます。

 

 

◆南野敬介

 ありがとうございます。そのように進めていっていただきたいと思います。

 あと、異常事態に臨機応変な対応ということでおっしゃっておられたと思います。

 コロナ禍とか自然災害ということを視野に入れて、そういうふうに対応していきたいと。事前に方向性を明示して計画的に政策を推進するということなのですが、今、考えられる範囲での事前に進むべき酒井市長が考えられる方向性というのは、どんなようなことを考えられているのか、教えていただけますか。

 

◎酒井了市長

事前に進むべき方向の明示というのは、考え方としまして、先ほど来ご説明申し上げております、客観的データに基づいて問題点を把握して、その打開を図る課題を明示するという流れを申し上げておりまして、今の時点で、ここで進むべき方向性として、この課題を明示するという段階ではないと考えております。

 

 

◆南野敬介

 今までの質問といったら、もう全てデータに基づいて、いろいろこれから進めていきますよと、これからまた、そんなのでいろいろデータとか出てきて、意見とか出てきて、こういうふうにやりますよというのを考えるために進めていくと、前半部分はそう理解してよろしいですか。

 

◎酒井了市長

やはり、今、現下の貝塚市が抱える問題点をデータに基づいて把握して、そして、その後の次のステージとして、その打開を図る課題を明示していくということでございますので、南野議員のご指摘のとおりでございます。

 

 

◆南野敬介

 そこは、私らも少しやはりきちんと見ながら進めていかないといけないと思っていますので、またよろしくお願いします。

 あと、途中でというか、人事のことも触れられました。

 人事は、年功序列ではなく能力の発揮できる適材適所の配置ということでおっしゃったと思います。

 これは、言わんとしていることは分かるのですが、この判断って非常に難しいの違うかなと思うのですが、その辺どう判断するのか、お考えなのかを教えてください。

 

◎総務市民部長

職員の配置につきましては、人事異動の自己申告書であったりとか各担当部長へのヒアリングなど、これまでの経歴などを参考に職員の適切な配置に努めているところでございます。

今後におきましては、既に導入している人事評価の活用も含めまして、職員のスキルや勤務態度などを参考に、年功序列にとらわれることなく、さらなる適材適所の配置に努めてまいりたいと、このように考えております。

 

 

◆南野敬介

 その評価というのは、やはり決まったシートみたいなのがあって、点数になっていて、それで評価するということで思っておいたらいいのですか。

 

◎総務市民部長

既に取り組んでおります人事評価につきましては、個人自身で評価します能力評価というのと、業務に対する業績評価というのに取り組んでございます。

そこでは、能力評価については自己採点ということで、自分がどれぐらいできているかというのを採点しまして、上司である人間が、それについて自己評価がどうだったかという評価を下すのですが、その評価の点数が何点だから、この人は即何点ということではなく、その辺も自分がどういう評価をしておって、それをどういうふうに業務に生かしていくか、その辺などを参考にしながら、上司であったりとか所属長であったりとか、その上の担当部長であったりとか、その辺の意見を集約して人事の配置、適材適所につなげていきたいという、参考にしていきたいというところでございます。

 

 

◆南野敬介

 非常に難しい課題だと、人を評価するなんて。かといって、僕も年功序列がいいとは思いませんが、そこは慎重にしないと、本人とかも含めて検討しないと、やり方一つ間違えればひどい目に遭うことになってしまうと思いますので、その辺はきっちりとやっていただければと思うのですが、酒井市長、その辺はどうお考えでしょうか。

 

◎酒井了市長

年功序列にとらわれずに能力の発揮できる適材適所を進めていきたいという、これは基本的な考え方でございまして、もちろん実際の適用にあたっては、慎重かつ適正にやっていきたいと考えでございます。

 

 

◆南野敬介

 あと、先ほど食野議員が言いました権限移譲については飛ばします。

 大阪府の所管する施設の管理とかいうところで、本市への移譲の話もいろいろ聞こえてきたりしています。

 例えば、府営住宅が、大阪府から貝塚市でどうだということが以前にもあったようなことを聞いたこともございます。

 例えば、府営住宅だけのことにとってみたら、貝塚市も公営住宅率の高い市でありまして、あれをそのまま本市に移管とかになってしまったら、貝塚市も目も当てられないことになってというか、財政的には大変なことになってしまうということもありますので、その辺、酒井市長として、大阪府からあったときに、どう対応をするのかということをお聞かせいただけますか。

 

◎酒井了市長

府営住宅の移管につきましては、少なくとも、現在のところ、大阪府から本市に対して具体的な話が来ているものではございません。

大阪府営住宅ストック総合活用計画におきましては、府営住宅の移管に関しては、市の意向を踏まえて検討するということになってございます。

 

 

◆南野敬介

 それでは、また最後のほうに、職員の所属部単位ではなく、広い視点を持つことを目指すということをおっしゃっていたと思います。

 縦割り行政ではなく、いろいろ連携してということだと思うのですが、ただ、それでもちょっと、いまいちどういうふうに進めていくおつもりなのか。

 機構を全く違うものにしようとしているのかということをどのようにお考えなのか、教えていただけますか。

 

◎酒井了市長

例えば、こういった貝塚市議会の皆様からのご答弁をさせていただくときにも、課とか部といった単位でのご答弁でなく、あくまで市民の皆様からは市としての答弁を求められているわけですので、そういったところのあくまで心構えとして、広い視野を持って、やはり業務にあたる必要があろうということでございます。

先ほどの町会・自治会等の担任制につきましても、同じような一つの考えとして、ふだんの所属している部や課といった単位ではなくて、市全体のことに関して、やはり当然、関心を持って当たると、そういった副次的効果も狙っているところでございます。

 

 

◆南野敬介

 心構えということで、後でまた触れられていたと思うのですが、たらい回しはしないよというようなこともおっしゃっています。

 これは、実は私もそのとおりだと思う。

 一つでワンポイントで全ての相談が解決できるのが一番ベターだと思います。

 そのために、市民相談室とかそういったところができたと思っているのですが、そこで全部解決できるかといったら、なかなかなっていないということ。

 市民の目線から見たら、やはり移動の少ない、そこで解決できるというところが幾つかあるほうが絶対便利だということは間違いないので、そういった視点で、今後の話になると思うのですが、市民相談という位置づけで、そういった体制を拡充するというお考えはあるでしょうか。お尋ねします。

 

◎酒井了市長

機構改革が必要かどうかについては、これはまた次の段階の話だと思っておりまして、まずは、とにかく私が貝塚市長になりまして、そういった広い視野を持って業務にあたっていただきたいと、そこをまず徹底したいと考えてございます。

 

 

◆南野敬介

 ありがとうございます。

 あと、所信の中で、昨日の平岩議員、先ほどの食野議員のところでもありました、町会・自治会の配置の件です。

 やろうとしていることは、よく分かりました。

 私もちょっとだけ危惧することがありまして、9時-5時の間で職員が3名各自治会につかれるということなのですが、各自治会の取組みは、結構、晩とか土日が多いのです。役員会とか。

 先ほどの、昨日の答弁とかも含めて9時-5時ということがあったので、その辺は機能するのかなという心配が少しあったのです。

 その辺どう考えているか、教えてください。

 

◎都市政策部長

従来、広報交流課のほうで広聴業務としまして、自治会・町会等のお話を受けさせていただいたところでございます。

まずは、それと同じスタート位置に立って、約380人の担当をつけて進めてまいりたいと。そこで、ちょっと改善すべきところがありましたら、時点修正しながらよりよいものにしていきたいと考えてございます。

 

 

◆南野敬介

 先ほどの質問でもちょっと感じたのですが、広報交流課で受けていた仕事といったら、具体的に各町会から何があったのでしょうか。その辺は分かりますか。

 

◎都市政策部長

具体にこの事務ということは、ちょっと今、手持ちがないのですが、町会・自治会の窓口が広報交流課になってございまして、各町会の役員から、例えば本市の補助事業で町会・自治会への備品等のサポートとかございます。

それの申請の仕方であったりとか、防犯灯を要望するのにどうしたらいいかとか、そういった業務について受けておったというところでございます。

 

 

◆南野敬介

 それができるのであればいいのかも分からないですが、やはりちょっと心配なのは、それを昼間の時間帯で職員が担当となって、要望というか、そのやり方も聞いて具体に回るのかなという。

 それだったら、今までの各校区に担当部長をつけて、それですら機能していたか、していないかというのは、僕は検証が要るのだと思うのですが、することからスタートしてもいいのではないかと実は思ったのです。その辺どう考えますか。

 

◎都市政策部長

現在、各部長が、それぞれ地域の校区福祉委員会に出向いていってございます。

この分につきましては引き続きやっていきたいと。

新たな取組み制度としまして、約380人を各町会・自治会101の団体にプラスにつけるということでございます。

 

 

◆南野敬介

 ちょっと実は気になったことがありまして、昨日の答弁の中で、担当の自治会の近い方と言ったのですか、職員を配置したいということをおっしゃっていたと思います。

 これ、良い面と悪い面、実はあるような気がしていて、顔を知っているから言いやすい、顔を知っているから言いにくいという両面があると思うのです。

 どっちが正しいのかちょっとよく分からないが、やってみて判断って、自治会によっても違うかも分からないし、その辺それを決めた段階でどういう議論があったのか、それをお聞かせいただけますか。

 

◎都市政策部長

より気軽にご相談、話をつないでいただけるように、知っている方がおるのであれば、例えば、私、貝塚市の森に住んでおりまして、森の町会、私のほうが皆さん声をかけやすいのであれば、それのほうがいいだろうということで、その方らを中心に配置を決めていきたいと考えてございます。

ただ、一旦決めたから未来永劫そこというわけじゃなく、やはりいろいろな職員が違う自治会も経験して、いろいろなことを学びながら、また自治会・町会とも関係をつくりながら市政運営に皆さんに携わっていただきたいと思っておりますので、まず、今回始まるにあたっては、関係しているところの職員をつけたいということでございます。

 

 

《市長の考える人権行政・人権教育の考え方について》

◆南野敬介

 部長だったらいけると思うが、若い子だったらどうなのかというところがあって、ほんとうにちょっとそれは心配します。

 またちょっといろいろ検討いただきたいなと思います。

 そしたら、1点目の市政全般についてということでは終わらせてもらいます。

 二つ目の市長の考える人権行政、人権教育の考え方ということについて、お尋ねしたいと思っています。

 まず、冒頭ですが、昨日の本会議で、ロシアのウクライナ侵攻に抗議する決議を貝塚市議会として上げさせていただきました。

 私は、戦争は最大の人権侵害と思っておりまして、断じて許せることではないなと思っています。

 貝塚市議会としての意思表示、決議とさせていただきました。

 近隣市町、泉州一帯を少し見てみましたら、泉南市、熊取町、泉佐野市、岸和田市、和泉市--抜けていたらごめんなさい--の市長が、ロシアに対して、プーチン大統領に対して抗議文を送付しているということが行われています。

 酒井市長においてもそのようなお考えないのか、お聞かせください。

 

◎酒井了市長

まずは、昨日の本会議におきまして、ロシアによるウクライナ侵略を強く非難する決議を可決されたことに対し、改めて敬意を表します。

本市は、昭和58年に宣言した核兵器廃絶・平和都市宣言におきまして、「真の恒久的な平和は、人類共通の願いである」と唱えてございます。

今回のロシアのウクライナ侵略は、到底許されるものではございません。

南野議員ご提案のロシアによるこのウクライナへの軍事侵攻に対する抗議文、これ、ぜひ私も連名で提出させていただきたいと考えてございます。

 

 

◆南野敬介

 多くの市町村が議長と連名でされて、今、連名とおっしゃったのは、議長という意味だと思ったのですが、そこはまた今ここで議長にどうと言えないので、谷口議長と相談して進めていただきたいと思うのですが、その辺いかがでしょうか。

 

◎酒井了市長

要は、本市も抗議文をということで捉えておりますので、提出させていただくときには、ぜひ谷口議長と連名でさせていただきたいと思っておりますので、そこはご相談をさせていただきたいと思っております。

 

 

◆南野敬介

 よろしくお願いいたします。ロシアの件は、そういったことでお願いします。

 人権行政についてです。

 私も、これまで長らく人権運動に携わってきて、この場に立っていると思っています。

 いわゆる同和地区出身でありまして、部落差別を許さないという立場で様々な取組みを行ってきました。

 2016年には、人権三法と言われます障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消推進法が国会で成立いたしました。

 それを受けて、各自治体でも様々な取組みが行われてきて、これまでも行われてきたわけなのですが、特別に何かせよということではなしに、普通に差別はあかんよという、人権行政の中で同和問題の解決、障害者差別の問題、ヘイトスピーチの問題、取り上げてやっていただきたいということで、ずっと私も訴えさせていただきました。

 今年3月3日には、部落解放運動の先進の全国水平社という組織が立ち上がって、100年を迎えたということでありました。

 100年こういった運動がされていても、まだまだ部落差別がなくなっていないという現実を見たときに、酒井市長が、今後この貝塚市で人権行政をどのように進めていきたいと思っているのか、その辺のお考えをお聞かせください。

 

◎酒井了市長

同和問題、いわゆる部落差別は、日本社会の歴史的過程で形づくられた身分差別によりまして、一部の人々が、長い間、経済的、社会的、文化的に低位の状態を強いられまして、日常生活の上で様々な差別を受けるなど、我が国固有の重要な人権問題と認識しております。

今もなお、差別の落書き、差別発言、インターネット上の差別助長につながる書き込みなどの事案が発生しておりまして、差別や偏見により他人の人格や尊厳を傷つける行為は決して許されるものではありません。

本市といたしましても、市民一人ひとりの人権意識の高揚を図り、部落差別を解消し、全ての人の人権が尊重される豊かな社会の実現を目指して、国・大阪府と連携して諸施策を実施してまいりたいと考えております。

 

 

◆南野敬介

 根本的には、そういったことで行っていっていただきたいと思っています。

 ただ、同和対策事業も1969年同和対策事業特別措置法ができてからも、私の年齢と一緒の時期ですので、もう約50年いろいろな事業を、特別対策の時期はそんなのはなかったのですが、環境面では非常に前進したし、もうほぼ解除されたと言われます。

 ただ、今日的には、やはり新たな差別がいろいろ発生してきていて、今はもうインターネット社会ですので、インターネット上で被差別部落の所在地をユーチューブで撮って回るとか悪質な差別事象も発生していると。今なお私の後輩でも、結婚に際して相手方から反対されたという事例も、今この令和に入ってでもまだ起こっているということであります。

 ここは、改めて貝塚市、酒井市長が先頭に立って同和問題解決に向けて進めていくということをお願いしたいのですが、その辺もう一度、決意のほどを述べていただければなと思います。

 

◎酒井了市長

南野議員おっしゃるとおり、1969年、昭和でいきますと44年ですね。

同和対策事業特別措置法が施行されて以降33年間、2002年、平成14年に法期限が切れましたが、その後もなおも部落差別が存在するという、そういった認識に立って、平成28年の部落差別解消推進法、これが恒久法として、同和対策事業特別措置法は時限法でしたが、この部落差別解消推進法は恒久法として制定されて、教育あるいは啓発の必要性が規定されたわけですので、本市としては、やはり私もこれは非常に貝塚市にとっても重要な問題と思っておりますので、私が先頭になって頑張っていきたいと思ってございます。

 

 

◆南野敬介

 また、人権三法の中で障害者差別解消法もうたわれています。

 貝塚市においても、いろいろな障害者施設ができていたり、合理的配慮、提供を求めるということで取組みをされてきています。

 以前、僕、貝塚市職員の中で障害者雇用ができているのかということも質問させてもらったと思います。

 本市がしなかったら、事業所にそんな指導などもできないだろうということでお話させてもらったこともあります。

 本市が指導的立場にある企業などに、障害者雇用という面で、現実、どのような実態になっているかというのは把握できているのか、その辺、まずお聞かせいただけますか。

 

◎総務市民部長

障害者雇用につきましては、毎年度実施しております職員採用試験の中で、雇用率というのを、当然、達成を目指すためにしているわけではないのですが、達成するということは最重要課題としまして、それに向けて、最近の採用試験では必ずと言っていいほど障害者について別枠で募集をして、雇用に努めるように条件整備等を進めているところでございます。

 

 

◆南野敬介

 障害をお持ちの方が社会に出る第一歩だと思いますので、ここは、引き続き強力に推し進めていただきたいなと思います。

 それだけではないとは思うのですが、あと、障害をお持ちの方が生き生きと暮らせる社会を、貝塚市をつくるために、いろいろな制度を活用しながら進めていっていただきたいと思っています。

 あと、私がずっと訴えてきましたLGBTの問題がありました。同性のパートナーシップ宣誓制度も、ご協力により、去年、おととしでしたか、つくっていただきました。

 その後、この申請の数、もし分かれば教えていただけますか。

 

◎都市政策部長

現在までに3組の申請がございました。

 

 

◆南野敬介

 また、あと啓発についても、これは、るる私も事あるごとに、啓発などの集会の場で行ってほしいということを要望していたのですが、コロナ禍でなかなかそういった機会がないというのは重々承知していますが、やはり自分の性自認に困っている方、多数やはり言えない方がいると思うのです。

 そういった方の背中をぽんと押すために、そういった啓発がやはり僕は大事だと思っています。

 富田林市だったかな、市のどこかの会議室でサロンみたいなのを1回開いて、市の主催で集まってくれませんかと言ったら、そんなに多くは来ないのですが、そういった相談というか、語り合う場みたいなのを企画するとか、そういった形で、この制度を広げていくということが取り組まれていますが、貝塚市では、そういった当事者を対象に何か啓発する考えはあるのかないのか、教えていただけますか。

 

◎都市政策部長

現在のところ、取組みはございません。

ただし、本市におきましては、人権に関する啓発セミナー等を種々開催してございますので、その一つのセミナーとしまして、そういった取組みについて、今後、検討していきたいと考えてございます。

 

 

◆南野敬介

 この件について、同性パートナー、LGBTQと言われる方から、一緒に生活するにあたって、遺言とかに関して公正証書が、どうしても法的にやろうと思ったらそういった手続が必要となって、結構な高額な費用がかかると言われています。

 そこで、茨木市において、そういった公正証書作成費用の助成をやろうということで、5万円だったか10万円だったか、ちょっとごめんなさい、金額忘れてしまいましたが、そういった制度がスタートしたようであります。

 そこまで金額を特定することも私もしませんし、するつもりはないのですが、何らかの形で応援できる、一歩前に踏み出せる、こういった助成制度を検討すべきだと思うのですが、その辺はいかがでしょうか。

 

◎都市政策部長

現在、貝塚市におきましては、大阪府や大阪府下のパートナーシップ宣誓制度の導入自治体と連携し、住所を変更した場合に改めての申請を不要とすることや手続の簡素化に向けた協議を進めているところです。

南野議員提案の茨木市に予定されている公正証書作成費用の助成につきましては、今後、調査研究してまいります。

 

 

◆南野敬介

 そういった、大阪府下でパートナーシップ宣誓制度を制定している自治体との連携、これは、非常に、今、初めて聞きました。

 有意義なことだと思いますので、ぜひ進めていっていただきたいと思います。

 続いて、最後、人権教育の考え方についてお尋ねいたします。

 今の人権行政のところを根本的に、同和問題にしても、障害者問題にしても、LGBTQのことにしても、まずは教育からスタートだと思うのです。

 それで、学校教育とかは、もちろん教育委員会になるでしょうし、社会教育も教育委員会にもちろんなるのですが、そこがスタートとなるということがありますので、今後、人権教育の進め方についてどのようにお考えか、教えてください。

 

◎教育部参与

差別のない社会の実現に向け、本市の教育活動におきましては、貝塚市人権教育基本方針、平和教育基本指針、在日外国人問題に関する教育指針、その他、国や大阪府の法令・方針等に基づきまして、あらゆる人権課題の解決を目指した取組みを計画的・総合的に推進しているところです。

まず、学校教育におきましては、「人権教育の指導方法等の在り方について(第三次とりまとめ)」--文部科学省の分でございます--にあります同和問題、部落差別や、子どもや高齢者に対するいじめや虐待の問題、女性・障害者・アイヌの人々・外国人・HIV感染者に対する偏見や差別、そして、インターネットによる人権侵害などのこれら人権問題につきまして、全ての教育活動において人権尊重の視点を踏まえた指導を行っております。

その中で、当事者との出会いや体験的・問題解決的な学習など多様な学びの機会を設け、あらゆる差別は当事者を取り巻く周りの人々の意識の問題であることへの自覚を促し、差別をしない・許さない子どもの育成に努めているところです。

続いて、社会教育におきましては、公民館やスポーツ施設では、障害のある方との交流活動や講座の開催、そして青少年人権教育交流館では、夏休みを利用した子ども向けのSDGsとの関連企画や同和問題、部落差別に関する人権学習などを行っております。

以上のように、人権教育につきましては、今後も、あらゆる機会を活用して地域の実態やニーズに応じた取組みを行い、人権問題を知識として学ぶだけではなく、自分の生き方として考えるような人権感覚を育成できるよう努めてまいりたいと考えております。

 

 

◆南野敬介

 人権教育の件については、やはり教育委員会の所管であるということと思います。貝塚市の教育方針は、そのようなことで進んでいっていただけると思います。

 ただ、今回は貝塚市長が替わられたということもありますし、酒井市長も半田出身ということで、第二中学校を出て高校までは半田でいらっしゃったのですか。同じ校区ということもありますし、そういった人権教育を受けてきた世代だと思いますので、ここは、ほんとうは教育委員会というのは十分分かっていますが、酒井市長のお考えをお聞かせください。

 

◎酒井了市長

市長の考えをということでございます。

部落差別解消推進法が、恒久法として制定されたその背景として、なおも部落差別の問題がやはり今も存在すると、こういった認識に立って、教育啓発の必要性がしっかり規定されたわけでございます。

教育委員会からもご答弁申し上げたとおりでございますが、あえて申し上げるならば、児童・生徒一人ひとりが、言われて知識として身につけるだけではなく、やはり我が事意識としてしっかり認識して、そして、それをさらに自己の生き方として実践をしていくと、やはりそういった考えをしっかり身につけることが大事だと思っておりますので、私もそのように進めてまいりたいと考えております。