≪(通称)空き家・空き地等適正管理に関する条例の取組みについて≫
◆南野敬介議員
議長から発言のお許しをいただきましたので、通告順に従いまして、私のほうから2点にわたって質問をさせていただきます。
まずは、1点目の(通称)空き家・空き地等適正管理に関する条例の取組みについてでございます。
この3月議会で、私ども新政クラブより提案させていただきまして、皆さんのご賛同を得まして制定された条例でございます。6月議会でも、その進捗状況、考え方等を一定度整理させていただいたというふうには思いますが、非常に大切な取組みであるというふうに私ども認識しておりますので、今回もこの件につきまして質問をさせていただきます。
非常にこの空き家・空き地等適正管理に関する条例、注目されておりまして、この3月議会で制定後、全国各地からこの条例に対する視察の依頼が届いております。隣の泉佐野市を初め、滋賀県野洲市、群馬県伊勢崎市、同じく太田市、この10月には富山県の魚津市、11月には香川県の坂出市からこの貝塚の地を訪れていただいて、この条例について行政視察が行われることとなっております。非常にそういった意味で、日本全国至るところでこうした空き家やとか空き地の問題が非常に大きな問題になっているというふうなことが伺われるというふうに私ども認識しております。
そういった意味で、この条例自身が絵にかいたもちにならないように、我々としても具体的にどういうふうに進めていくんかというところに力を入れながら、今後進めていきたいというふうに思っております。
そこで、改めましてこの4月以降、条例制定後、市民からの苦情なり相談、また解決というふうに至った事例がもしあるようでありましたら、その具体例をお示しいただければなというふうに思っています。よろしくお願いします。
◎都市整備部長
この条例制定後、建物の老朽化が著しく、建築材料が飛散するおそれのある空き家につきましては、現在までに10件の報告があり、それらにつきましては当該条例に基づき改善指導を行う中で、既に2件の空き家につきましては所有者において撤去が完了し、更地となっております。また、残りの8件につきましても、所有者または管理者に対し、引き続き改善指導を行っているところであります。
次に、空き地につきましては、条例制定後31件の報告がございました。完了が19件、指導の必要性が認められないものが7件、係争中が1件、残り4件につきましては改善指導に取り組んでおります。
◆南野敬介議員
この4月以降で空き家のほうも既に2件の新たな進展が見られたということで、非常に我々提案した会派としてはうれしく思っています。
ただ、我々、この条例を提案させていただいたときに、我々の足で貝塚市内、全域ではありませんけれども、特に浜手中心に南海貝塚駅周辺を歩かせてもらって、現場確認させてもらったところが27箇所あったというふうに記憶しております。
総務常任委員会等でも議論になった中で、市として、その空き家やとか空き地の状況を把握し切れているんかどうか、また我々提案者として把握し切れているんかというふうな議論もございました。
そういった意味で、この4月以降、この条例ができたことを踏まえて、市として貝塚市内の空き家やとか空き地の状況を何か把握するような手だてを打ってきたんかどうかという。もし打っているのであれば、把握しているのであれば、その件数もわかればお示しいただきたいと思います。
◎都市整備部長
議員ご質問のすべての市内の空き家、空き地等々の把握については、本市では把握はできておりません。
◆南野敬介議員
すべてを把握できていないというふうなことでございますが、その必要性については、私は、行政としても空き家やとか空き地の件数といいますか、ある程度、一定度把握する必要があるとは思うんですが、その辺いかがですか。
◎都市整備部長
議員ご指摘のように、行政として空き地等々の把握は一定する必要があるかと思うんですけれども、さまざまな条件がございます。
例えば、住宅開発地の中で購入されているけれども、まだ建築がされていないと。管理がしっかりされている空き地もございますれば、草がぼうぼうで隣家に影響を及ぼしているというような、そういったさまざまな形の空き地がございますので、本市の今の現状といたしましては、やはり住民に多大なる被害、また影響がある、ほったらかしにされている空き地につきましては行政の立場で対応していくべきと、このように考えております。
◆南野敬介議員
さまざまな理由で難しい状況もあるかとは思いますけれども、ただ、権利関係とかいろいろあるとは思うんですけれども、一定度貝塚市、広いですんで、行政の職員が1件1件、貝塚市内を回って、道歩いて、ここ、管理されていないなというのを調べるのはなかなか僕は不可能なことやなというふうに思うんですけれども、それでもやはり状況としては、貝塚市の中でこんな手つかずの状態の地域があるよというふうなことは、ある程度は、きっちりした数じゃなくても把握すべきやと思うんですよ。
それで、例えば、できるかどうかは別としまして、やっぱり地域の状況を一番よくわかっているのは地元自治会の皆さんやというふうに思うんですね。例えば、町会連合会の皆さんにご協力いただいて、自町の中で、そういった手つかずの状態の空き家がありませんか、空き地がありませんかというふうな形で把握する方法もあると思うんです。
そういった方法で、ある程度の数を思い浮かべながら、また今後どんな手だてを打っていくかということを考えるのも一つの方法じゃないかというふうに思うんですが、その辺、いかがでしょうか。
◎都市整備部長
議員がご質問のように、市民との協働ということで地元の方のご協力をいただく方法も一つでございますが、現在、市のほうでの今後の取組みといたしましては、市の横の関係がございます。
それはいろんな課がございます。例えば、開発の担当をしている課、また下水道や水道、インフラの関係している課等々ございますので、横の連携から、まず今関係課長会議を行いながらその把握に努める、またマニュアル化もしていくということに取り組んでいきたいと、このように考えております。
◆南野敬介議員
把握の仕方はいろんな方法があっていいと思います。今、部長おっしゃるように、横の関係。例えば清掃、塵芥収集車走っています。
そういったところで、ここが空き地になっているよというのを調査するというのも一つの方法やと思うし、やり方は私が言うたように自治会に協力を依頼するという方法もありますし、今、部長おっしゃったようなやり方もあると思いますんで、何らかの形で私はやはり早急に実態を把握というふうな意味ではすべきやと思いますんで、その辺、もう一度回答お願いします。
◎都市整備部長
市のほうも、議員のご指摘のとおり実態把握については鋭意努力していきたいと。今後も努力していきたいと、このように考えております。
◆南野敬介議員
どうもありがとうございます。
それと、6月議会のほうでも、空き地と空き家はやっぱりスピードが変わってくるやろうと。家のほうはやっぱり所有権の関係とかいろいろありまして、なかなかスムーズというか、時間はかけてじっくりせなあかん部分が出てくるやろうというふうなことでも指摘させていただきました。
それ以降、たとえ空き家と空き地を分けて考えたとして、それ以降の例えば空き地に手をつける手だてといいますか、そのシステムづくりがどのように進んでいったのかというところについてお答え願えますか。
◎都市整備部長
議員ご指摘のように、6月議会で問題事案の解決に向けて、空き家と空き地を分けて考えるべきとのご指摘があり、空き地につきましては、条例に基づき順次指導を行ってまいりますが、不服申し立てが可能なことから、運用マニュアルの作成を検討してまいりますと答弁をいたしました。
そこで、先進事例をお持ちの名張市のポイント制を参考に、現在、先ほど申しました複数の課の関係課長等々が集まりまして、判断基準、マニュアルの作成について行っているところでございます。
◆南野敬介議員
作成をしていただいているということで、進んでいるということなんですけれども、具体的に、いつをめどにとかいうめどは立っているんでしょうか。
◎都市整備部長
手元に、そのポイント制の一定の数値の入ったものを現在作成しておりますので、これを参考に庁内会議である程度煮詰めて、それと、それを執行していく上の関係で弁護士等々にもちょっと相談をかけながら、議員ご指摘のように、できるだけ早い時期にやっていきたいと、このように考えております。
◆南野敬介議員
できるだけ早い時期というのもね。たまたまきのうなんですけれども、私のところに高齢者の方2名がお見えになりまして、私ども新政クラブでこの条例の件でニュースつくりまして、市内全戸配布させていただいて、それを持ってこられて、ええのつくってくれたと。
ただ、いつできんねんというふうな、市民の方、やっぱり即できると思っているんですね。それ、ちゃんと説明して、条例はできたけれども、その手だて、順番を決めるやり方とかも含めて今検討中なんですよということで、もうしばらく待ってくださいねということで丁寧に説明したら、ご理解いただいたわけなんです。
そういった意味で、この条例ができたというふうなことが非常に大きくて、市民の皆さんの期待も大きいというふうなことでありますので、ぜひ早い段階での対応をお願いしたいというふうに思っています。
それと一方で、今回行政代執行をうたいました。この視察の場でもよく私も言うんですけれども、この代執行をするのが目的では決してなくて、抑止力になることもそうなんですけれども、それはそうなんですけれども、ただ、ひどい場合にはやっぱり代執行もやっていかなあかんやろうというふうには思っています。
そのためのシステムづくり、今縷々検討していただいているとは思うんですけれども、ちょっと空気的に、これはもう感覚の問題でしかないかもわからないですけれども、行政代執行をうたった条例は多々府下でもあるけれども、それを実施したところはないんですよというふうな空気が、ちょっと私自身もそういった場で感じられるというふうなところで、もう私自身は、この貝塚市の特殊な例を見たときに、事例を見たときに、行政代執行もやむを得ないというふうにも思っています。
そういった意味で、秋田県の大仙市なんかでは、やはり命を守る、暮らしを守るというふうな、秋田県ですんで豪雪地域ということで、雪の重みでへしゃげてしまうおそれがあるということで、行政代執行に踏み込んだというふうな事例もありますんで、雪であろうが風であろうが雨であろうが危ないものは危ないというふうなことでもありますので、ぜひ、皆さんの中での意識も含めて、代執行は決して、うたっているけれども、やりたくはないですけれども、最終手段としてはあるんだというふうなことをもう一度確認しておきたいというふうに思います。
それで、何もその代執行のきついことばかりじゃなしに、前回の6月議会でも補助制度、空き家を壊すときに補助制度をつくれないかというふうなことで提案させていただいたというふうに思っています。前向きに検討というふうなことでお答えをいただいたわけなんですけれども、具体的にどのようにやっていくか検討されているのかどうか、まずお聞かせ願えますか。
◎都市政策部長
空き家に対する考え方の中で、いわゆる相手方が見つからない場合とか、不明者がおるというような形の中での対応をどう考えているんかということになろうかと思います。
それにつきましては、自然災害により倒壊のおそれがあるという空き家につきましては、迅速に危険除去を促す方策ということで、補助制度も考えてはどうかというふうなことも提案があったように思っておりますので、それらも含めまして現在検討しているところでございます。
◆南野敬介議員
少しホームページで載っていたのであれなんですけれども、国土交通省が空き家再生等推進事業というふうなことで提起されています。その中で、すべてがこれに適用されるかどうかはちょっと別としまして、補助対象の中に、除去を行うものに対する経費補助というふうな項目もございますので、ぜひそういった国の制度も活用して検討していただきたいと思うんですが、その辺、いかがでしょうか。
◎都市整備部長
今、議員ご指摘の国土交通省の旧家といいますか、その解体といいますか、それに対する費用の負担とあるんですけれども、これにつきましては、過疎の村のまちづくりという観点からでございまして、1戸1戸の廃屋を解体するのにこの制度を使えるかというのは、ちょっと私、今、絶対使えますというご答弁はできないんですけれども、調べないとできないんですけれども、国土交通省の、私が知り得る限りでは、総合、面的なそういうまちづくりについてのそういう計画に基づいた解体ということでの認識はしております。
◆南野敬介議員
まちづくりという視点を持つのであれば、空き家をクリアランスすることについても、まちづくりの僕は一種やというふうに思いますんで、そこはもう文書の書き方やとか、国土交通省との交渉の仕方次第やというふうに思いますんで、せっかく国にそういった補助制度があるということなんで、ぜひ、それが丸となるかバツとなるか、それは別として、利用できるものは利用してすべきやというふうに思いますんで、その辺の研究をまたお願いしたいなというふうに思います。
≪災害時の行政データのバックアップについて≫
それで、引き続いて2点目の災害時の行政データのバックアップについて質問を行いたいと思います。
昨年6月議会で同様の質問をさせていただきました。行政データ、被災地なんかでいいましたら、丸ごと戸籍が流されるんやとかいうふうな問題があって、被災地にとっては大きな問題というふうになっていました。それで、貝塚市においてもそういった場合が考えられるんではないかということで質問をさせていただいて、そのときの答弁で、現在対応していないと、ただ、今後セキュリティの問題とかクリアしながら検討していきたいというふうにお答えいただきました。
実はその回答をいただきましてから、私ども新政クラブでテレビ岸和田さんにお伺いさせてもらいました。縁がありまして、たまたまといいますか、この問題にかかわることがありましたんで、我々4人でお伺いさせていただきました。
テレビ岸和田さんで、実はその行政データも含めてバックアップデータを、生駒山を通じてバックアップを保存するというふうなサービスを行うんやというふうなことでありました。
ぜひセキュリティの問題というふうなことが問題になるんでありましたら、そういったデータ転送等も含めて考えるべきではないんかなというふうに思うんですけれども、その辺、いかがでしょうか。
◎都市政策部長
議員ご指摘のとおり、市が災害時の備えとして、住民基本台帳のデータなど業務に必要となる住民情報のバックアップに万全を期することは大変重要なことと認識しております。そして、災害発生時にバックアップが同時に被災することのないよう、市の庁舎とは別の安全な場所に保管するなどの対策が求められております。
本市といたしましては、住民情報システム等のバックアップデータ媒体を大規模災害でも同時被災しない遠隔地に月2回外部保管する方法を検討しており、先般、保管業者を選定し、保管施設の実地調査を実施してきたところでございます。今後は、この保管業者と契約を締結し、速やかにデータ保管を実施してまいりたいと考えております。
そして、同時に言われました岸和田のケーブルテレビ、民間業者でございますけれども、そこについては有線、いわゆる伝送で送っていると。これについては、リアルタイムで送れるというメリットがあるというふうには聞いておりますけれども、ただ、今回私どもで考えておりますいわゆる陸送と電送との間の費用対効果で考えた場合、本市の今の予定しております金額の6倍から7倍かかるというふうな試算をいただいており、今回陸送による保管場所への移動というふうに考えております。そして、この情報業者につきましては、大阪府並びに大阪府警察とも実績を持っているということで、安心できるんかなというふうには考えております。
◆南野敬介議員
月2回外部保管というふうなことであります。
どっちにやろうが、その行政データをバックアップするというふうなことは非常に大切な取組みやというふうに思うんです。ただ、正直な話、月2回でええんかというふうなのは思うんですね。
日々人が、赤ちゃんが産まれていったり、日々年いっていくわけでございまして、今、全くゼロの段階からいきなり100の段階に持っていくのはなかなか難しいというのは重々理解しますんで、月2回でも一歩前進かなというふうには思います。これが例えば毎日になった場合に、毎日のバックアップを取れるシステムになったときに、その料金がどうなるんかというふうなところは検証しなければわからないんちがうかなというふうには思うんですけれども。
その月2回外部に持っていくときの安全というか、何にデータを入れて持っていくんかというのがもしわかるんであれば教えていただけますか。
◎都市政策部長
この業者は滋賀県の保管場所に転送するというふうな業者でございまして、順番に大阪府、大阪府警なりという形で貝塚市にも回ってくるということで、安い単価でいけるというふうに聞き及んでおります。それで月2回程度であれば安い単価での、見積りの中での契約ということになってございます。
今言われている、月2回がええんか、1回がええんか、3回がええんかという回数もありますけれども、今のところ、この業者とやっている市なり警察なりに聞きますと、これで一旦始めようかというような形でされたというふうには聞いております。ジュラルミンケースというような形でもってデータを入れて、そして保管場所へ持っていって、そして隔離されたところで保管するというふうに、陸送で運ぶというふうに聞いております。
◆南野敬介議員
ジュラルミンケースというのは、何かやっぱりCDか何かに、入れてやるんやろうなというふうに思うんですけれども、そういった場合、交通で車で運ぶとなったら、やっぱりその道中の心配等もせざるを得んやろうなというふうに思ったりもしますし、ネットで送ったからいうて、ハッカーがいてないとも限らないんで、どっちがどっちやいうのは、それは一長一短あるんやろうなというふうには思いますけれども、いずれにしましても、この行政データというのは非常に個人情報を扱うというふうな意味で大切なことやというふうに思っています。
例えば、コンピューターを使ってデータを飛ばすというふうなやり方が高額であるんであれば、例えば、広域で他市も巻き込んで貝塚市が発信して、こんなんで一遍にやるとなったら安くなるというふうな方法も考えられるでしょうし、これから年というか、時間がたてば、また安価になっていくシステムもできてくるかもわからないんで、とりあえずは、この6月議会で質問されたことがそうやって前進したというふうなことについては、一歩前進かなというふうに思っていますので、今後よりよい方向を検討していただくということをお願いしまして、私のほうからの質問とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。